土壌微生物叢活性剤の葉菜類の成長に及ぼす効果

  • 竹生 敏幸
    吉備国際大学大学院地域創成農学研究科
  • 李 玩蓉
    吉備国際大学大学院地域創成農学研究科
  • 許 冲
    吉備国際大学大学院地域創成農学研究科
  • 谷坂 隆俊
    吉備国際大学大学院地域創成農学研究科 京都大学

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of a soil microbial flora activating agent on the growth of leaf vegetables
  • ドジョウ ビセイブツソウカッセイザイ ノ ヨウサイルイ ノ セイチョウ ニ オヨボス コウカ

この論文をさがす

説明

環境汚染や農地の疲弊を促す多肥・多農薬農業から脱却し,人類の持続的発展を保証する低投入持続型農業(low input sustainable agriculture;LISA)を実現,推進するためには,病虫害抵抗性と高い養分吸収力をもつ品種の育成,ならびに肥料の多量投入を必要としない肥沃な土壌を作る画期的栽培技術の開発が必要である.本研究では,著者の竹生と谷坂が開発した土壌微生物叢活性剤“Takeo-Tanisaka液”(TT液)の葉菜類の成長および土壌微生物多様性・活性値(soil microbial diversification/activity value;SMDA)に及ぼす効果を調べ,TT液がLISAの普及・推進に必要な肥沃な土壌をつくるツールになりうるか否かを検討した.その結果,有機質が定期的に投入されている土壌(供試材料:コマツナ,ミズナ),有機質をほとんど含まない真砂土中心の土壌(同:コマツナ),および,良質の苗の生産に適した物理性や化学性をもつように製造されている市販の園芸培土(同:コマツナ,ハボタン)のいずれにおいても,TT液の投入によって植物体の成長が旺盛になり,SMDAも大きくなったことから,TT液には,土壌微生物叢を多様化・活性化する力,すなわち多種多様な有機質や化学肥料の分解を促して土壌を肥沃にする力があり,したがって,TT液はLISAの実現・推進にあたって有効なツールになる可能性が高いと結論した.

収録刊行物

  • 作物研究

    作物研究 67 (0), 17-25, 2022

    近畿作物・育種研究会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ