琉球からのカエデ属の1新種

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書誌事項

タイトル別名
  • A New Species of<i> Acer</i> from the Ryukyus

抄録

<p>1999年 6 月, 奄美大島に行った際, 地元の山下弘氏から未知のカエデの生育場所に案内されて, その調査を依頼された.常緑樹林脇の斜面にはえていて, 高さ 4 m 程の木本で, 丁度果実が多数ついていた. 調べたところ, カジカエデ Acer diabolicum Blume によく似ていた. しかし, カジカエデは九州では熊本県, 宮崎県以北に分布し, 鹿児島県には知られておらず,奄美大島では飛び離れた分布になる. 詳細に比較するとカジカエデの葉柄や葉の裏には多数の毛が生えているのに, 奄美のものは殆ど無毛である.またカジカエデの果実には短い軟毛がある他に, 長い剛毛が生えていて, これがカジカエデの大きな特徴であるが, 奄美のものは短い軟毛だけで,剛毛はなく, ル-ペで見なければ無毛のように見える. カジカエデに良く似ているが, 分化の程度の弱い別の種類として扱うのが妥当と考える.これをアマミカジカエデ Acer amamiense Yamazaki と名付ける. 6 本ほど見つかっていると言う.現地でも希少な植物である.</p><p> 現地を案内され, また花の時期の標本を送って下さった山下氏に深謝します.</p>

収録刊行物

  • 植物研究雑誌

    植物研究雑誌 75 (5), 282-284, 2000-10-20

    植物研究雑誌編集委員会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390012346468021376
  • DOI
    10.51033/jjapbot.75_5_9442
  • ISSN
    24366730
    00222062
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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