岩手県夜沼(国内新産地)から見つかったカラフトグワイ(オモダカ科)のDNA塩基配列に基づく種同定

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タイトル別名
  • Genetic Identification of <i>Sagittaria natans</i> (<i>Alismataceae</i>) from Lake Yonuma (Iwate Prefecture) as a New Locality in Japan

抄録

<p> 岩手県八幡平市の夜沼に生育するオモダカ属植物について,DNA の塩基配列に基づいて同定を試みた.また,形態や夜沼における分布範囲,生育環境について,2012 年と2015 年に調査を行った.更に,1990 年から1994 年にかけて福島県いわき市の屋外において栽培観察を行った.ITS 領域の塩基配列は,北海道,黒竜江省,内蒙古自治区,サハリン,その他ジーンバンクに登録されたカラフトグワイSagittaria natans Pall. の塩基配列と完全に一致した.栽培実験では狭長楕円形の浮葉と短い側裂片を有する浮葉が観察された.また,野外調査では走出枝とその先に新しく形成された塊茎を持つ個体が観察された.栽培実験,生育地調査ともに開花個体を確認できなかったが,遺伝的特徴,形態的特徴から,夜沼に生育するオモダカ属植物はカラフトグワイであると結論した.夜沼の個体群は日本において2 つ目の生存個体群となるとともに,種の分布の南東限にあたる.同集団の早急な保全策の検討が望まれる.</p>

収録刊行物

  • 植物研究雑誌

    植物研究雑誌 92 (4), 184-192, 2017-08-20

    植物研究雑誌編集委員会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390012346468169856
  • DOI
    10.51033/jjapbot.92_4_10797
  • ISSN
    24366730
    00222062
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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