血漿からのエクソソームRNA抽出試薬の比較・検討―CD9 RT-qPCR法にて―

DOI
  • 森田 邦恵
    新潟医療福祉大学医療技術学部臨床技術学科
  • 阿部 拓也
    新潟医療福祉大学医療技術学部臨床技術学科
  • 藤井 豊
    新潟医療福祉大学医療技術学部臨床技術学科
  • 塙 晴雄
    新潟医療福祉大学健康科学部健康スポーツ学科

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of commercially available kits for exosomal RNA isolation from plasma: qRT-PCR analysis of exosome marker CD9

抄録

<p>近年,体液中でタンパク質や核酸を内包する小胞であるエクソソームが注目され,エクソソーム中のタンパク質,RNAから疾患診断のバイオマーカーが見いだされる期待が高まっている。それに伴い,血液中のエクソソームを抽出する試薬が開発されているが,その抽出効率について統一された結論は出ておらず,超遠心法が依然として信頼性高いという現状である。超遠心法は,設備の準備と技術の習得に高いハードルがあり,効率的なエクソソーム研究と臨床応用には不向きであり,市販の試薬での安定したエクソソームの抽出が期待される。本研究では,血液中のエクソソームからタンパク,mi-RNAで良好な抽出報告のあるExoRNeasy(QIAGEN社)と,新たに開発されたPlasma/Serum Exosome Purification Kit(NORGEN社)2種類の試薬について,血漿からエクソソーム中のmRNAの抽出効率の評価を行った。方法は健常人血漿を対象に,RNA定量と,エクソソームマーカーCD9によるRT-qPCR法を実施した。RNA定量値,CD9のRT-qPCR共通して,ExoRNeasyによる抽出したmRNAで良好な結果が確認され,本研究で市販の試薬を用いてエクソソーム中のmRNAの安定した抽出の確認がされた。この成果を基に,新たなバイオマーカーの確立の研究および,臨床応用につなげていきたいと考えている。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 71 (4), 644-650, 2022-10-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390012390812222080
  • DOI
    10.14932/jamt.22-10
  • ISSN
    21885346
    09158669
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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