非外傷性肩関節不安定症に対する二方向臼蓋形成術の治療成績

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抄録

非外傷性肩関節不安定症に対して二方向臼蓋形成術を施行した12例13肩について報告する.症例は,習慣性脱臼(HD)9肩,随意性脱臼(VD)1肩,HDとVDの合併が1肩,持続性亜脱臼(SS)が2肩であった.手術時平均年齢18.4歳,男性6肩女性7肩,右7肩左6肩,平均経過観察期間39カ月であった.HD9肩中1肩は術後HDが再発し,1肩は術後VDに移行した.SS2肩では,1肩は術後VDへ移行し,1肩は術後SSが再発したが共に大胸筋移行術を施行し肩関節脱臼は制御された.VD及びVDとHDの合併症例では術後再脱臼は認められなかった.二方向臼蓋形成術では臼蓋傾斜角を補正し,肩甲骨頚部と臼蓋の延長が行われるが軟部組織の弛緩性や肩甲骨機能への直接操作はない.手術後も理学療法は重要であり,またVDを起こさせないための多方面にわたる管理も必要である.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 46 (2), 305-308, 2022

    日本肩関節学会

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