局所インスリンアレルギーにおける対症療法中インスリン抗体による低血糖を来した2型糖尿病の1例

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  • A Case of Type 2 Diabetes Mellitus With Hypoglycemia due to Emergence of Insulin Antibodies while Continuing Insulin Therapy despite Local Insulin Allergy

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抄録

<p>症例は68歳男性.2型糖尿病に加えて幽門側胃切除術の影響から顕著な食後高血糖があり,血糖コントロールに難渋していた.61歳時にはインスリン導入となったが,インスリンアレルギーが疑われ中止となり,その後食事療法の徹底に加えインスリン以外のあらゆる薬物療法が行われたがコントロール困難であった.67歳時,皮膚テスト陰性であったインスリングルリジンを導入した際も局所性・即時型アレルギーが再現した.インスリン療法が必要であるため対症療法で治療継続したところ,アレルギー症状の寛解に続いて,低親和性・高結合能を有するインスリン抗体に起因した臨床的に重大な低血糖が生じた.ステロイド治療により血糖コントロールは改善したが,本症例では,局所性インスリンアレルギー出現時の治療継続が,減感作療法による副作用と同様,インスリン抗体の惹起,血糖不安定性をきたす可能性が示唆されたためここに報告する.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 65 (10), 544-551, 2022-10-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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