日本沿岸産イシガキダイのシガトキシン分析

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タイトル別名
  • Analysis of Ciguatoxins in the Spotted Knifejaw, <i>Oplegnathus punctatus</i> from the Waters of Japan
  • ニホン エンガンサン イシガキダイ ノ シガトキシン ブンセキ
  • Analysis of Ciguatoxins on the Spotted Knifejaw, Oplegnathus punctatus from the Waters of Japan

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抄録

<p>シガテラ魚類食中毒は,シガトキシン類(CTXs)を含有する魚類による動物性自然毒食中毒で,主に熱帯・亜熱帯で発生している.日本では,沖縄県を中心に発生報告があるが,日本本土の太平洋岸産魚類による食中毒事例も散発的に発生し,原因魚種のほとんどがイシガキダイOplegnathus punctatus の老成個体である.イシガキダイにおけるCTXsの含有状況を調査するために,本州,四国,九州,奄美,沖縄,および小笠原の沿岸産176個体(標準体長:13.1~60.0 cm,体重:100~6,350 g,年齢:0~11歳)を収集し,LC-MS/MSによる分析を実施した.そのうち沖縄産2個体(全試料の1.1%)からCTXsが検出され,沖縄産14個体に限定した検出率は14%であった.CTXsが検出された2個体の魚肉中の総CTX含量は,0.014 μg/kgおよび0.040 μg/kgであり,いずれも米国FDAの推奨値0.01 μg CTX1B equivalent/kg以上であったが,ヒトの最小発症量(10 MU, CTX1B換算で70 ng)に達するには,1.5 kg以上の摂食が必要であるため,シガテラ魚類食中毒発症のリスクは高くないと考えられる.沖縄産イシガキダイのCTXs組成はCTX1B系列のみで,バラフエダイやバラハタなどの肉食魚が含有するCTX1Bおよび52-epi-54-deoxyCTX1Bに加えて,渦鞭毛藻が産生するCTX4AおよびCTX4BがCTX1Bと同程度のレベルで検出された.なお,CTX3C系列は検出されなかった.</p>

収録刊行物

  • 食品衛生学雑誌

    食品衛生学雑誌 63 (5), 190-194, 2022-10-25

    公益社団法人 日本食品衛生学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (23)*注記

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