肩関節滑液包に発生した正常リン血症性Primary tumoral calcinosisに鏡視下切除を行った一例

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抄録

<p>【はじめに】Tumoral calcinosis(以下TC)は,大関節周囲の軟部組織に腫瘤状石灰沈着を起こす疾患である.肩関節に発生したTCに鏡視下切除を行った一例を経験したので報告する.【症例】73歳男性.既往症は特になし.1ヶ月前より急に発症した右肩痛で挙上困難となり当科を受診した.可動域は屈曲80°,外転45°であった.単純X線・CTで腱板上に石灰化を認めた.MRIでは腱板断裂は認めなかった.血清Ca値9.6 mg/dl,血清P値3.8 mg/dlと正常であった.以上より滑膜骨軟骨腫・TCを考えた.保存治療に抵抗性のため,鏡視下切除を行うこととした.術中所見では腱板上に沈着する石灰成分を認めた.病理所見より,TCと確定診断した.現在,術後6ヶ月であるが,症状は消失し,画像上も再発を認めていない.【考察】正常リン血症Primary TCは繰り返す微小損傷が原因とされ,治療の第一選択は外科的切除である.腫瘍が限局して存在する例では,鏡視下切除は有用と思われた.</p>

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