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- 楠見 孝
- 京都大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Teaching Introductory Psychology as Civics in Japanese High Schools
抄録
<p> 本稿は,高校公民科への心理学教育の導入について論じた。最初に,心理学が教科ではなく,公民科の科目の一部として教えられてきたことを述べた。つぎに,米国と英国における高校の心理学は,人気のある選択科目であり,科学としての心理学を重視している点で,日本における公民科「倫理」における心理学とは目標が異なることについて論じた。つづいて,日本の公民科カリキュラムにおける心理学的内容の変遷について述べ,その内容が,青年期の心理や現代思想としての精神分析に重点があり,60年近く変わっていなかったという問題点を指摘した。そして,学会などによるこれらの問題点を解決するための取組みについて述べた。そして,2022年から実施される新学習指導要領の公民科「倫理」において,個性,感情,認知,発達などの心理学の内容が導入されたことについて述べた。また,新学習指導要領における他教科においても,心理学に関連する内容が取り扱われており,科目横断的に学ぶことの必要性を述べた。最後に,教員と生徒における高校公民科への心理学教育の導入に関わるニーズと,心理学者と学会が解決すべき今後の課題について考察した。</p>
収録刊行物
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- 教育心理学年報
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教育心理学年報 61 (0), 189-206, 2022-03-30
一般社団法人 日本教育心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390012578706776960
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- ISSN
- 21863091
- 04529650
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- HANDLE
- 2433/284027
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可