思春期特発性側弯症矯正手術における術中出血量は胸椎前弯で増大する

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Intraoperative blood loss in corrective surgery for adolescent idiopathic scoliosis is increased in thoracic lordosis

この論文をさがす

抄録

<p>思春期特発性側弯症(AIS)における出血量に関して,過去に複数の要因が関連すると報告されている.今回,われわれは矢状面アライメントが出血量に影響すると仮定し,術中出血量との関係を評価した.当院で2010年から2020年までに,主カーブCobb角40~60°のLenkeタイプ1および2のAISに対して手術を施行した12歳から20歳の患者270例を対象とした.検討項目は性別,BMI,固定椎体数,手術時間,術中出血量(Intraoperative blood loss:IBL),術中出血量/循環血液量(blood volume:BV BV=体重×75 mLとして計算),主カーブCobb角,胸椎後弯角(TK;T5-12)とした.循環血液量の40%をこえる出血を大量出血群,40%以下を非大量出血群として,各パラメーターとの関連を調査した.またTKが0°以上,0°未満でもわけても調査した.性別,BMI,固定椎体数,手術時間,主カーブCobb角,TKが出血量と関連することがわかった.TK 0°未満の群と0°以上の群で出血量を比較すると0°未満の群で出血量が多かった.AIS Lenkeタイプ1および2の矯正手術における出血量は胸椎前弯に関連しており,胸椎前弯を認める症例では出血により注意が必要である.</p>

収録刊行物

  • Journal of Spine Research

    Journal of Spine Research 13 (11), 1212-1216, 2022-11-20

    一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ