<i>PTCH1</i> 遺伝子に既知の変異を認めた基底細胞母斑症候群の 1 例

  • 久本 岳史
    山口大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
  • 浅野 伸幸
    山口大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
  • 下村 裕
    山口大学大学院医学系研究科皮膚科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Basal Cell Nevus Syndrome with a Known Mutation in the <i>PTCH1</i> Gene
  • PTCH1遺伝子に既知の変異を認めた基底細胞母斑症候群の1例
  • PTCH1 イデンシ ニ キチ ノ ヘンイ オ ミトメタ キテイ サイボウ ボ ハン ショウコウグン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は 39 歳,男性。初診 2 年前に黒色皮疹を前頭部左側に 1 個,6 カ月前に下腹部に 5 個認め,近医皮膚科より精査加療目的に当科を紹介され受診した。境界明瞭な黒色隆起性局面を認め,病理組織学的に基底細胞癌と診断された。皮膚に多発する基底細胞癌に加えて,頭部単純CT 検査では軽度の大脳鎌石灰化,左下顎骨内囊胞性病変を認め,また母親に同症の既往があり,Kimonis らによる診断基準から基底細胞母斑症候群と診断された。患者の末梢血 DNA を用いて本疾患の原因遺伝子の 1 つである PTCH1 を解析した結果,エクソン 13 に既知のナンセンス変異 c.1804C>T(p.Arg602*)がヘテロ接合型で同定された。 基底細胞癌に対しては,全身麻酔下で切除術が施行された。本疾患の患者では生涯に渡り非露光部も含めて全身に基底細胞癌が多発することが予想されるため,定期的に全身の皮膚を診察し,早期発見・早期治療介入に努める必要がある。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 84 (5), 425-428, 2022-10-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (10)*注記

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