心室筋細胞数理モデルにおける細胞内イオン濃度平衡点決定メカニズム

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抄録

<p>刺激周期の短縮やナトリウムチャネルの阻害は,心室筋細胞のCa2+濃度の上昇をもたらし,収縮力が増加することが知られている.また,アドレナリン刺激によりIKs,ICaL,INaKといった電流と細胞質から筋小胞体へのカルシウム取り込みを担うSERCAが増強され,収縮力が増加することが知られており,数理モデルでも, SERCAが増強されると細胞質のCa2+濃度が増加することが知られている.イオン濃度変化に関わる個々の機能要素に対して,イオン濃度の平衡点がどう変化するかを把握することは難しく,平衡点決定メカニズムを理解することは,生理的あるいは病態の理解に重要である.本研究では,ヒト心室筋細胞モデルとしてO’hara Rudyモデルを使用し,イオン濃度の平衡点がどのように決まるかを理解するモデルを構築した.膜を通過するイオンフラックスやコンパートメント間の拡散フラックスに変動を与えシミュレーションを行い,その結果から,シミュレーション条件に対するイオン濃度や各コンパートメントのイオン濃度間の関係を表現する補間関数を作り,これらの連立方程式の解を計算することでイオンの平衡濃度を計算することができた.さらに,この数式を解析することで,平衡濃度決定のメカニズムを理解することができた.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 237_1-237_1, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390012801499209216
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.237_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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