脳浮腫発生機序に関連したNa-KATPase数理モデル
抄録
<p>脳浮腫は脳梗塞や脳卒中などの病態が原因となり発症し、進行すると頭蓋内圧亢進が起こり最終的に脳ヘルニアを発症する危険性がある。そこで、本研究では浸透圧と水分移動の時間推移の解析を行い、浮腫の進行を定量的に表すことを目標としている。脳浮腫の中でも細胞毒性浮腫は、細胞内電解質濃度が上昇することが原因で、晶質浸透圧が発生し水分が流入する。よってこの浸透圧の発生を解析することが求められる。 晶質浸透圧の解析には、細胞内外の経時的な電解質濃度変化の解析が必要である。よって、今回は脳細胞に多く発現し、Na+とK+の能動輸送を担っているNa-KATPaseの数理モデルを構築した。 Na-KATPaseはATPの加水分解を行うことで細胞内にK+を流入、Na+を流出させる能動輸送を行う。輸送に伴う構造変化について可逆性を考慮して微分方程式を立式し、ルンゲクッタ法による解析を行った。解析した結果、構造ごとの濃度変化及び速度定数はそれぞれ異なる傾きで変化し最終的に収束した。加えて、Na-KATPaseの濃度は一定で表すことができ、恒常性を示すことが出来た。これらの結果から今回の解析は数理学的には妥当な値が導出できたといえる。しかし、細胞内Na+濃度とK+濃度、ATP濃度を定数としているほか、反応の速度定数や各構造体の濃度に任意の初期値を代入しているため、これらを改善し生理状態に近いモデルの作成を目指したい。</p>
収録刊行物
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- 生体医工学
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生体医工学 Annual60 (Abstract), 244_2-244_2, 2022
公益社団法人 日本生体医工学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390012801499234304
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- ISSN
- 18814379
- 1347443X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可