高気圧作業安全衛生規則の課題と今後のあり方について

  • 合志 清隆
    西日本病院 脳神経外科 久留米大学 医学部 環境医学講座
  • 森松 嘉孝
    久留米大学 医学部 環境医学講座
  • 錦織 秀治
    久留米大学 医学部 環境医学講座 有限会社 中国ダイビング 潜水技術研究部
  • 近藤 俊宏
    オリエンタル白石株式会社 経営企画部第二事業企画チーム
  • 玉木 英樹
    久留米大学 医学部 環境医学講座 玉木病院 外科・総合診療科
  • 石竹 達也
    久留米大学 医学部 環境医学講座

書誌事項

タイトル別名
  • The Japanese Law Regulating Underwater and Caisson Work: Current Issues and Future Developments
  • コウキアツ サギョウ アンゼン エイセイ キソク ノ カダイ ト コンゴ ノ アリカタ ニ ツイテ

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説明

高気圧環境での労働者の健康管理を規定している法令である高気圧作業安全衛生規則(高圧則)が平成26(2014)年12月1日に改正された.しかし,その改正によって新たに別の問題が浮き彫りになると同時に,労働衛生の側面からは適正な改正には至っておらず,高気圧作業での安全対策の混乱は依然として残されている.高圧則に沿った高気圧作業の安全対策には最善とならない対処が見受けられ,さらに別の法律上の問題に発展するとも考えられる.本稿では主に産業保健スタッフが直接的ないし間接的に関与する高圧則の問題について紹介するが,なかでも健康診断と就業制限は特殊作業の業務内容に合った判断が要求される.健康診断での専門的な検査は,慢性期にみられる労働関連疾患の早期発見を目的として定期的に行う必要があり,さらに雇い入れの適性検査としても重要である.就業制限を判断する際の要点は,高気圧作業で重大な障害を引き起こす病状,さらに減圧障害の後遺症による作業への影響と危険性を検討することである.高圧則は労働者の健康管理の面から科学的根拠に沿った内容にすることが望まれる.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 44 (4), 359-372, 2022-12-01

    学校法人 産業医科大学

参考文献 (22)*注記

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