黒毛和種筋間脂肪のモノ不飽和脂肪酸割合が枝肉単価に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of monounsaturated fatty acids compositions of intermuscular fat on carcass price of Japanese Black cattle

抄録

<p>北海道内一箇所の枝肉市場に出荷された黒毛和種2,871頭を用いて,脂肪酸組成が枝肉単価に及ぼす影響を調査した.GC法で筋間脂肪の脂肪酸組成を測定し,分析の際は一価不飽和脂肪酸(MUFA)%を55未満,55~60,60~65,65以上に区分した.MUFA%との表型相関で最も高い値を示した形質はBFS No.であった(r=0.20:P<0.01).市場開催日におけるMUFA%の最小二乗平均値は季節による変動を伴って年々減少した.市場開催日,月齢区分,性別およびMUFA%区分を母数効果,農家を変量効果として肉質等級別に算出した枝肉単価の最小二乗平均値は2,3および4等級でMUFA%の増加に伴って上昇し(3等級:P<0.01),5等級で低下した(P<0.01).各MUFA%区分におけるBMS No.の出現率については,MUFA65%以上においてBMS No. 12の有意な出現率減少を確認した(P<0.01).以上から,MUFA%は脂肪色に関与し,性や月齢,年次などの複数の要因で変化すること,枝肉単価は低等級においてMUFA%が高いと上昇するが,5等級においてその関係性が変化することが示された.</p>

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 93 (4), 323-330, 2022-11-25

    公益社団法人 日本畜産学会

参考文献 (14)*注記

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