胆汁性胸水の精査に局所麻酔下胸腔鏡検査が有用であった1例

DOI
  • 小林 玄弥
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター呼吸器内科
  • 戸田 早苗
    宏潤会大同病院呼吸器内科
  • 向井 彩
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター呼吸器内科
  • 荒川 総介
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター呼吸器内科
  • 北村 有希
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター呼吸器内科
  • 中野 暁子
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター呼吸器内科
  • 川口 裕子
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター呼吸器内科
  • 前田 浩義
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Useful Thoracoscopy Under Local Anesthesia for the Close Examination of Bilious Pleural Effusion

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抄録

<p>背景.胆汁性胸水は腹腔内の胆汁が胸腔内に移行することにより胸水が褐色になるまれな病態であり,腹部の疾患が原因とされている.症例.79歳女性.労作時の呼吸困難と右大量胸水の精査のために受診.胸腔ドレナージで褐色~黒色の胸水を認め,胸水ビリルビン,グリココール酸の上昇から胆汁性胸水と診断した.局所麻酔下胸腔鏡検査を実施し,横隔膜上の壁側胸膜に結節病変を認め,同部位の生検で肺腺癌と診断された.胸腹部造影CTで肝胆膵に明らかな異常はみられず,横隔膜上の胸膜播種が肝臓に浸潤したことにより胆汁が胸腔内に移行したと考えられた.結論.本症例のように胆汁性胸水の原因が胸部の疾患である場合には,局所麻酔下胸腔鏡検査は有用である.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 44 (6), 446-449, 2022-11-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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