病態確定が困難であった小児橈骨頭亜脱臼の治療経験

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  • Treatment for idiopathic dislocation of the radial head

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抄録

病態の確定が困難であった小児橈骨頭亜脱臼の3例の病態と術後成績を検討した.<BR>【対象と方法】男児2例,女児1例,右2肘,左1肘.2例に患肢への外傷歴があるが,受傷時のX線所見では腕橈関節に異常を認めなかった.症状発症11歳,主訴は全例が肘関節運動時痛であり,屈曲制限を2例に,伸展制限を1例に認めた.後方亜脱臼1肘,前方亜脱臼2肘であった.手術時年齢12歳,術後観察期間15か月であった.<BR>【結果】尺骨矯正骨切り術2例,橈骨短縮骨切り術1例を施行した.術後全例で疼痛と可動域制限は改善した.1例で術後創部瘢痕に対して皮膚形成術を行った.術前X線では尺骨の短縮2例に,橈骨の短縮と過成長をそれぞれ1例に,尺骨前方骨皮質肥厚を1例に認めた.術後X線では,腕橈関節アライメントは改善していたが,1例で橈骨頭亜脱の残存を認めた.<BR>【考察】外傷歴のない無症状の小児橈骨頭亜脱臼の症例が存在する可能性が示唆された.

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