前腕変形による外反肘に対し上腕骨で矯正骨切りを施行した1例

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  • Distal Humerus Osteotomy for Cubitus Valgus due to Deformity of ulna: a case report

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抄録

尺骨の外反変形による外反肘に対して,上腕骨遠位で外反変形を矯正した症例を経験したので報告する.症例は17歳男性.8歳時にMonteggia骨折(Bado Type I)を受傷し,橈骨頭は徒手整復されたが尺骨の外反変形が遺残した.16歳時に外反肘による肘関節内側部痛が出現し当院紹介となった.単純X線でCarrying Angle(CA)32° の外反変形を認め,3次元骨モデルを用いて尺骨近位で矯正骨切りを行うシミュレーションを実施し,術後の前腕回旋運動を予想すると回内20° で尺骨近位部と橈骨頭がインピンジする可能性があったため,矯正骨切りは上腕骨遠位で実施した.術後CAは20° に改善し肘関節内側部痛も消失した.術前3次元シミュレーションは術後の前腕可動域制限が予測でき術式選択の上で有用な方法である.尺骨近位の外反変形による外反肘に対し上腕骨遠位の矯正骨切りにより良好な術後成績を得ることができた.

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