化粧品処方におけるセルロースナノファイバーによるピッカリングエマルションの形成挙動

  • 久保田 紋代
    第一工業製薬株式会社 研究本部 研究カンパニー部 レオクリスタ開発グループ
  • 後居 洋介
    第一工業製薬株式会社 研究本部 研究カンパニー部 レオクリスタ開発グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Formation of Pickering Emulsion with Cellulose Nanofibers for Cosmetics

抄録

<p>植物を構成する繊維を物理的に細かくすることで得られるセルロースナノファイバー(CNF)は,昨今のナチュラル指向に対し非常に適した材料である。CNFは高い粘性と透明性を示すため,レオロジーコントロール剤としてさまざまな化粧品に利用されている。またCNFは増粘効果以外にもさまざまな機能を有する。CNFの機能の1つとしてピッカリングエマルションを形成することがあげられる。しかしながら,多種の成分が配合される化粧品処方において,どのような条件であれば乳化可能かは不明であった。そこで,まず油の種類による乳化の可否について検討した。その結果,有機概念図を用いて乳化の可否を予測可能であり,有機性値に対する無機性値の割合が0.25以下の油を乳化可能であることがわかった。さらに水相への添加成分が乳化に与える影響について調査したところ,水と油の界面張力が50mN/m以上であれば乳化できることがわかった。このようなCNFの機能を利用し,新感覚の化粧品を創造すべく引き続き検討を進める。</p>

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参考文献 (4)*注記

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