JRA-55を用いた流域圏スケールにおける水文気象準観測データ作成手法の検討

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タイトル別名
  • Creation of hydro-meteorological pseudo observational data Using JRA-55 in River Basin

説明

<p>近年,気候変動に伴うと思われる世界各地で極端降水などの異常気象が頻繁に生じている.既往の多くの気候変動影響評価研究では,大気大循環モデル(General Circulation Models: GCMs)の出力値が利用されている.しかし,GCMsは大気モデルあるいは大気・海洋結合モデルであるため,観測値との間にバイアスが存在する.しかし,観測データが例えば20年未満しか存在しないような地域・地点(以下,観測データが乏しい地域)は世界中に多く存在する.そのため,GCMsが持つ統計的なバイアスを長期間(例えば20年以上)の観測データを用いて補正することが困難な場合が存在する.このような観測データが乏しい地域では,多くの研究において再解析データが利用されている.ただし,再解析データは観測値を用いてデータ同化が行われているものの,空間解像度が数10~数100 kmと低く観測値との間にバイアスが存在する.再解析データが持つ問題を解決するため,再解析データに力学的ダウンスケーリング(DS)を適用し,時空間解像度の高解像度化を行い,標高依存性に伴う降水や気温の変化といった物理的な性質の改善に取り組む研究が存在する.ただし,力学的DSは計算コストが高く,長期間のデータへの適用が困難である.一方,統計的DSは上述した標高依存性に伴う降水などの物理的な影響を考慮した補正は困難であるものの,特定地域における気候の統計的な特徴を考慮することができ,短時間で長期間のデータを作成することが可能という特徴を持つ.気候変動影響評価を行う際は,長期間のデータを用いる必要があるため,統計的DSのような計算コストが低く簡便な手法を用いる必要性がある.例えば丸谷ら(2017)は降水量を対象に再解析データを用いた準観測データ作成手法の検討を行っているものの,水文解析に必要となる降水量以外の気温,降水量,湿度,大気圧,全天日射量,風の気象要素への検討が行われていない.そこで本研究では,特に降水量を除いた水文気象データに対する再解析データを用いた水文気象準観測データ作成手法の検討を目的とし,研究発表会では解析結果を紹介する.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390013021058954880
  • DOI
    10.11520/jshwr.35.0_235
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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