Differences in local perceptions about environmental changes among residents of small communities in Lena River Basin, eastern Siberia
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- Fujioka Yuichiro
- Faculty of Social and Cultural Studies, Kyushu University
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- Takakura Hiroki
- Center for Northeast Asian Studies, Tohoku University
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- Boyakoba Sardana
- IHRISN, SBRAS
Bibliographic Information
- Other Title
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- 東シベリア・レナ川流域における環境変化に関する地域住民の認識と差異
Description
<p>気候変動や地球温暖化の影響により、シベリアなどの東部ロシア北極・環北極域では、永久凍土の融解や河川洪水の頻発などに代表される環境変化が急速に進行している。このような環境変化は、地域に暮らす人々の生活や経済活動を脅かす大きな要因となっていることが報告されており、環境変化への適応策の検討や地域社会のレジリエンスの向上がグローバル社会が直面する課題として認識されている。本発表では、サハ共和国の小規模コミュニティを対象に、環境変化に対する住民の認識と集団内の認識の差異について紹介する。そして、その結果を他地域における結果と比較を行い、社会的レジリエンスを向上するにあたり、ステークホルダー間の認識のギャップをどのように捉えていけばよいか考察する。 2018年に東シベリアに位置するレナ川流域の2地域(Khayakhsyt, Magaras)において予備調査を実施し、同地域の主要な民族であるサハ人の生活様式や環境認識を把握するための参与観察とインタビュー調査を実施した。そして、2020年および2021年にかけて、東シベリアに位置するレナ川流域の3地域(Namsky, Khangalassky, Ust-Aldansky)において、環境変化に関する認識や直面する課題などに関するアンケート調査を実施した。 アンケート調査の結果、レナ川流域の3地域の回答者は、河川水の流量変化や冬季の氷の発達度合、永久凍土の状態などについて、高い関心を有していた。河川の流量については、近年、流量が減り浅くなっているとする回答の割合が比較的高く、干ばつ頻度が増加しているという認識を示す回答者の割合が高い傾向が認められた。また、河川の凍結/融解時期が変化したと認識する回答者がいずれの地域でも半数近く認められた。他方、いくつかの質問項目については、同一の地域内においても回答傾向が分かれる結果となった。例えば、過去20-30年における洪水の発生頻度については、「増加した」と「減少した」という回答の両方が、いずれの地域でも比較的高い割合となった。また、河川の水量が極端に低い状態をみた頻度に関する質問では、Ust-Aldanskyで頻度が高い傾向が認められ、地域によって環境変化に対する認識が異なる結果も認められた。</p>
Journal
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- Proceeding of Annual Conference
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Proceeding of Annual Conference 35 (0), 147-, 2022
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390013021058973184
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
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- Abstract License Flag
- Disallowed