これまでのDVT検診活動の軌跡―東日本大震災(亘理町・山元町)から熊本地震(阿蘇地区)を中心とした報告―

書誌事項

タイトル別名
  • Track record of DVT screening activities to date—Reports mainly from the Great East Japan Earthquake (Watari-cho, Yamamoto-cho) to the Kumamoto Earthquake (Aso area)—

抄録

我々のDVT検診活動チームは,福井大学を中心とした北陸3県の医療従事者が集まり,被災地での調査・支援活動に携わってきた.活動は能登半島地震(2007年3月)から始まり,東日本大震災,熊本地震など多くの被災地でデータを蓄積してきた.チームのテーマは「災害関連疾患の防止」であり,本チームはDVTを検出する下肢静脈超音波検査のみならず,仮設住宅においては心臓・腹部超音波検査や採血検査等も実施してきた.我々は,DVT検診活動から得られたデータを基に臨床研究においてもチームで取り組み,東日本大震災では,DVTの危険因子が経時的変化すること,DVTの持続因子,ヒラメ静脈とのDVT関係性,心臓超音波検査による所見の推移,熊本地震では,飲酒とDVT関係性,高血圧の治療状況と心疾患などを報告してきた.また,豪雨災害による避難所生活においてもDVTが発生することを初めて報告した.これらの報告が,災害医療の一助となれば幸いである.

収録刊行物

参考文献 (14)*注記

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