スポーツ選手版バーンアウトプロセス尺度第2版に関する基礎的検討

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  • 大学生スポーツ選手の基本属性に着目して

抄録

<p>スポーツ選手は日常的に様々なストレッサーに曝されおり、これらが心理的問題に影響する可能性がある。中でも、日々の努力が一向に報われないことで発症するとされるバーンアウトは特に深刻であり(中込・岸、1991)、早期の予防法の確立が求められている。近年、予防法の確立への貢献が期待される発症プロセスに焦点を当てた尺度(田中ほか、2021)が開発されたが、本尺度の基礎的な検討は十分とは言えない。</p><p>そこで、本研究は大学生スポーツ選手を対象にバーンアウトの発症までに辿るとされる各状態(熱中状態、停滞状態、固執状態、消耗状態)を評定する尺度であるスポーツ選手版バーンアウトプロセス尺度第2版の基礎的な検討をすることを目的とした。</p><p>大学生スポーツ選手160名(男性129名、女性31名;平均年齢19.32±1.00歳)を対象に、上記の尺度とフェイスシート(性別、種目名、継続年数、活動状況、競技レベル)からなる質問紙調査を行った。データの処理として、バーンアウトの発症プロセスにおける性差(男性群・女性群)、競技種目差(個人種目群・団体種目群)、継続年数差(平均継続年数未満群・平均継続年数以上群)、活動状況差(レギュラー群・非レギュラー群)および競技レベル差(全国大会出場群・非全国大会出場群)を検討するため対応のない検定を用いた。</p><p>まず性差に関しては、発症プロセスにおける各状態に有意な差は認められなかった(p>.05)。続いて、競技種目差では、個人種目群の熱中状態得点は、集団種目得点より有意に低かった(p<.05)。また継続年数差では、平均継続年数未満群の熱中状態得点は平均継続年数以上群より有意に高く(p<.05)、活動状況差では、平均継続年数未満群のレギュラー群の停滞状態得点は、非レギュラー群より有意に低かった(p<.05)。そして、全国大会出場群の停滞状態得点は非全国大会出場群より有意に低かった(p<.01)。</p><p>以上より、本尺度の各状態には様々な基本属性差が有ることが確認された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390013032133105280
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.72.0_213
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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