寒冷地の地盤震動評価を目的とした北海道北見市における表面波探査および微動アレイ探査結果の季節変動

書誌事項

タイトル別名
  • Surface wave and microtremor array explorations in Kitami City, Hokkaido, for evaluating seasonal variation of site amplification in a cold region

抄録

<p> 本研究では,冬期間に表層地盤に凍結が生じる地域における表面波探査結果および微動アレイ探査結果の季節変動を把握するため,寒冷地である北海道北見市に位置する北見工業大学構内の同一測線において表面波探査と同一アレイ配置において微動アレイ探査を通年で実施した。はじめに,非凍結期である10月の両者の位相速度を用いてS波速度構造を推定した。推定された構造は地表から1 mまでに100 m/s以下の軟弱な層が存在する。非凍結期の10月から厳冬期を経て翌10月までの約1,2月間隔で実施した探査の結果から,レイリー波の位相速度の変化が把握でき,10~50 Hzの周波数範囲において,凍結期の位相速度が,非凍結期の位相速度に比べて大きく,特に15 Hz以上で違いは明瞭であった。現地で連続観測している土中温度と体積含水率の結果から推定される表層の凍結時に,位相速度が上昇することが確認できた。実施した小半径の微動アレイ探査の結果においても,10 Hz以上でその変化は見られた。一方の10 Hz以下は季節による大きな変化は見られないが,得られた位相速度の標準偏差は凍結期で大きくなった。この微動アレイ探査による位相速度は,表面波探査結果と良く整合する。周波数毎の位相速度の季節変動は他の観測結果と対応している。</p>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 75 (0), 98-104, 2022

    社団法人 物理探査学会

参考文献 (6)*注記

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