妊娠後期の女性に合併した進行ALK陽性肺腺癌の1例

  • 小玉 勇太
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器内科
  • 高納 崇
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器内科
  • 廣島 正雄
    新城市民病院総合診療科
  • 都島 悠佑
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器内科
  • 後藤 希
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器内科
  • 中瀬 敦
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器内科
  • 田中 麻里
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器内科
  • 稲垣 雅康
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器内科
  • 伊藤 亮太
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器内科
  • 横山 俊彦
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Advanced Anaplastic Lymphoma Kinase-positive Lung Adenocarcinoma During the Third Trimester of Pregnancy

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抄録

<p>背景.妊娠合併肺癌は非常に稀で,妊娠に関連する症状と誤認されたり,放射線画像検査が敬遠されやすく,ほとんどの症例は進行期に診断されている.症例.30代後半女性.妊娠26週頃から咳嗽が出現し,労作時呼吸困難や食思不振も自覚するようになった.妊娠37週に胸部X線検査が施行され,左全肺野の透過性低下を認め当科紹介入院となった.CTにて胸水を伴う左完全無気肺と両側肺門・縦隔リンパ節腫大,右肺の多発結節影を認めた.胸腔ドレナージを施行しつつ,翌日帝王切開にて児を娩出した.胸水検体で腺癌及びanaplastic lymphoma kinase(ALK)融合遺伝子が確認され,入院5日目からalectinibの投与を開始した.速やかな腫瘍縮小効果が得られ,1年以上維持している.また,児に腫瘍の発生はみられず,発育も正常である.結論.妊娠可能年齢女性における肺癌ではドライバー遺伝子変異陽性の頻度が高く,急速に進行する可能性がある.妊娠中でも呼吸器症状が遷延する場合は胸部X線などの検査を行うことが勧められる.また,児への転移を考慮して胎盤の病理学的検索や出生後の児の経過観察も重要である.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 62 (7), 1009-1013, 2022-12-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (13)*注記

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