高度低体温症で来院し, 復温の過程で徐脈から心静止に至った急性化膿性胆管炎の1例

DOI
  • 池田 万優子
    東京女子医科大学附属八千代医療センター 救急科・集中治療科
  • 廣瀬 陽介
    千葉県済生会習志野病院 救急科
  • 湯澤 紘子
    東京女子医科大学附属八千代医療センター 救急科・集中治療科
  • 近藤 乾伍
    東京女子医科大学附属八千代医療センター 救急科・集中治療科
  • 細野 一樹
    東京女子医科大学附属八千代医療センター 救急科・集中治療科
  • 貞広 智仁
    東京女子医科大学附属八千代医療センター 救急科・集中治療科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of severe hypothermia with acute suppurative cholangitis resulting in bradycardia and cardiac arrest during rewarming

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抄録

<p>74歳男性が意識障害と直腸温26.7℃の高度低体温で搬送された。意識レベルはGCSでE4V1M4。血圧57/31mmHg。心電図では49/分の洞性徐脈がみられた。初療室で加温輸液を約2時間で2,500mL急速投与したが, 徐脈を経て心静止した。速やかに心肺蘇生法 (cardiopulmonary resuscitation ; CPR) を施行し自己心拍は再開し, その後, 加温輸液とブランケットによる復温を継続した。また, カテコラミンの持続投与も行っていたが血圧への反応は乏しく, 再び徐脈から心静止へ移行したが, 再度CPRを施行し自己心拍は再開した。腹部CT検査で急性化膿性胆管炎の所見がみられ, 敗血症性ショックの併発が示唆され, 直ちに広域抗菌薬による治療を開始し, 翌日には覚醒が得られた。低体温症はとくに高齢者では感染症を疑い, 復温と同時に原因検索とその治療を迅速に行うべきである。また, 低体温症例の復温中は心室頻拍/心室細動だけでなく, 心静止となることも念頭に置き治療を行う必要がある。</p>

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