高水分未利用飼料原料の凍結解凍・脱水処理が原料からの水分除去率と栄養成分および人工消化試験によるブタの乾物および粗タンパク質消化率に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Freeze-Thawing and Dehydration of High-Moisture Unutilized Raw Materials on Water Removal, Nutrient Values and Dry Matter and Crude Protein Digestibility Using an <i>In Vitro</i> Method in Pig
  • コウスイブン ミリヨウ シリョウ ゲンリョウ ノ トウケツ カイトウ ・ ダッスイ ショリ ガ ゲンリョウ カラ ノ スイブン ジョキョリツ ト エイヨウ セイブン オヨビ ジンコウ ショウカ シケン ニ ヨル ブタ ノ カンブツ オヨビ ソタンパクシツ ショウカリツ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

<p>高水分未利用原料に対する乾燥前の凍結解凍・脱水処理が,原料からの水分除去と乾燥後原料の栄養成分,人工消化試験によるブタの乾物および粗タンパク質消化率に及ぼす影響について検討した。本研究には原料として出荷時に切り落とされる生アスパラガスの茎部(アスパラ),規格外ジャガイモ(ジャガイモ)および廃棄された豆腐(豆腐)を供試した。処理区は,原料をそのまま活用した無処理区,乾燥前に原料を脱水機で脱水した脱水区,凍結後に解凍した凍結区,凍結解凍後に脱水処理を施した凍脱区とした。上記処理後のアスパラでは,無処理区と脱水区に比べて,凍結区,凍脱区の順に水分含量は減少し(P<0.05),水分除去率は増加した(P<0.05)。ジャガイモと豆腐の水分含量は無処理区,脱水区,凍結区,凍脱区の順に減少し(P<0.05),水分除去率は増加した(P<0.05)。これら処理原料の乾燥終了までの所要時間は無処理区と脱水区に比べ凍結区と凍脱区は約1/2に短縮された(P<0.05)。栄養成分含量は,アスパラとジャガイモの粗タンパク質と粗灰分が無処理区に比べ凍結区と凍脱区で減少し(P<0.05),炭水化物は増加した(P<0.05)。粗脂肪は,アスパラでは無処理区に比べ凍結区と凍脱区が増加し(P<0.05),逆にジャガイモは減少した(P<0.05)。豆腐は各区の栄養成分含量に有意な差はみられなかった。人工消化試験による各区乾燥後原料の粗タンパク質消化率および豆腐の乾物消化率は各区間に有意な差はみられなかったが,アスパラとジャガイモの乾物消化率では無処理区と脱水区に比べ凍結区と凍脱区で減少した(P<0.05)。以上の結果から凍結解凍およびその後の脱水処理は高水分原料から効率的に水分を除去でき,乾燥所要時間短縮を図れることが確認できたが,凍結解凍後の脱水処理は,原料中の水溶性栄養成分の溶出を促進させることが考えられた。</p>

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参考文献 (12)*注記

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