高度肺気腫の若年者に発症した続発性気胸の肺囊胞切除標本中に発見された低分化扁平上皮癌の1例

  • 荒木 恒太
    公立学校共済組合中国中央病院呼吸器外科
  • 林 直宏
    公立学校共済組合中国中央病院呼吸器外科
  • 鷲尾 一浩
    公立学校共済組合中国中央病院呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of poorly differentiated squamous cell carcinoma discovered in bullae resected from a secondary pneumothorax in a young patient with severe emphysema

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抄録

<p>肺気腫は通常タバコ煙への暴露に伴って進行するため若年者では稀である.また,肺気腫では肺癌の合併頻度が高いが若年での発癌は稀である.我々は高度肺気腫を有する若年者の気胸手術時の切除標本中に肺癌が発見された1例を経験したため報告する.症例は34歳男性.14歳から17歳までの4年間と20歳から34歳までの15年間に20本/日の喫煙歴があった.造船塗装業に従事し,兄に気胸歴があった.高度肺気腫を背景とした気胸に対し肺囊胞切除術を行った.広く切除した肺囊胞に2ヵ所の結節を認め,内1ヵ所が低分化扁平上皮癌と診断された.気胸には時に肺癌が合併するが高齢での報告が多く,若年では稀である.しかし,本症例のような高度肺気腫の場合には高度のタバコ煙暴露から肺癌の合併リスクが高い状況が推測されるため,若年者の気胸であっても肺癌に注意を払い診療に臨むべきである.</p>

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参考文献 (13)*注記

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