左視床梗塞により意味カテゴリー特異的な名詞理解・表出障害が認められた1例

Bibliographic Information

Other Title
  • ショウレイ ホウコク ヒダリ シショウ コウソク ニ ヨリ イミ カテゴリー トクイテキ ナ メイシ リカイ ・ ヒョウシュツ ショウガイ ガ ミトメラレタ 1レイ

Search this article

Description

症例は左視床・小脳梗塞でX日に入院となった41歳,右手利きの男性.SLTA(X+39日)では名詞理解,呼称ともに良好であったが,TLPA意味カテゴリー別名詞検査(X+40日)においてカテゴリー毎の成績に明らかなバラつきがみられ,特に低親密語の植物名の理解と呼称がともに困難であった.呼称の誤反応は意味性錯語が大半であった.本症例は左視床損傷で意味カテゴリー特異的な障害が現れた点で既報告と異なり希少な症例であると思われた.理解・呼称ともに大まかなカテゴリーまでの接近は可能であるが,そのカテゴリー内での言語-意味間の障害が推測された.WAIS-IIIの知覚統合は比較的良好に保たれていたが,これらの下位検査のうち有意味な絵を用いた課題である「絵画配列」「絵画完成」「組合せ」は不良であった.Odd one out課題では精緻な概念化が困難であった.名詞理解・表出障害の背景として,言語的な問題にとどまらず,非言語性意味システムの障害が示唆された.

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top