高知県における天然海産アユの遺伝的集団構造

書誌事項

タイトル別名
  • Genetic structure of amphidromous populations of ayu <I>Plecoglossus altivelis altivelis</I> in Kochi Prefecture, Japan
  • コウチケン ニ オケル テンネン カイサン アユ ノ イデンテキ シュウダン コウゾウ

この論文をさがす

抄録

本研究は高知県天然海産アユの遺伝的集団構造を明らかにするために,マイクロサテライト DNA マーカーを用い,高知県8河川の天然海産アユ383個体,指標集団の琵琶湖産アユ43個体の多型解析を実施した。解析の結果,高知県天然海産集団は AR が11.4-12.4,HE が0.718-0.746であり,遺伝的多様性を維持していた。また,天然海産集団はペアワイズ FST 値において,琵琶湖産集団と全ての組み合わせで有意な差があったものの,海産集団間では有意な差がなかった。無根系統樹や主成分分析の解析では,県内8河川の天然海産集団は一つにまとまった。そのため,高知県では県内全域の天然海産アユを単集団として扱い,資源管理や放流事業を実施することが望ましいと考えられた。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 69 (4), 291-298, 2021

    日本水産増殖学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ