急性カフェイン中毒患者に実施した血液浄化法の評価

  • 武田 紗希
    福島県立医科大学医学部法医学講座
  • 上野 智史
    福島県立医科大学地域救急医療支援講座
  • 鈴木 剛
    福島県立医科大学医学部救急医療学講座
  • 小野寺 誠
    福島県立医科大学地域救急医療支援講座
  • 加藤 菜穂
    福島県立医科大学医学部法医学講座
  • 西形 里絵
    福島県立医科大学医学部法医学講座
  • 伊関 憲
    福島県立医科大学地域救急医療支援講座 福島県立医科大学医学部救急医療学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Assessment of blood purification in acute caffeine intoxication
  • キュウセイ カフェイン チュウドク カンジャ ニ ジッシ シタ ケツエキ ジョウカホウ ノ ヒョウカ

この論文をさがす

抄録

<p>われわれは,重篤な急性カフェイン中毒が疑われる患者2名にCHDFおよびHDをそれぞれ行い,救命し得た。効果的な血液浄化法の運用を目的に,カフェインのクリアランス(CL)および消失半減期(t1/2)を算出し,評価を行った。</p><p>ガスクロマトグラフィー質量分析を用いて血中カフェイン濃度の定量を行い,CLとt1/2を算出した。症例1および症例2の来院時血中カフェイン濃度は,それぞれ86 μg/mL,135 μg/mLであり,致死域に達していた。CHDFおよびHDのカフェインCLはそれぞれ3~29 mL/min,132~149 mL/minであり,t1/2はそれぞれ12時間,3.5時間であった。</p><p>重篤な急性カフェイン中毒が疑われる症例へは,①HD,②DHP,③両者の併用のいずれかを選択することが望ましいと考えられた。また,血中カフェインの高濃度が予想される症例には,複数回のHDを行うことが望ましいと考えられた。HDやDHPの適応が困難となる症例へは,導入にCHDFを選択し,その後HDあるいはDHPへ切り替えることが望ましいと考えられる。</p>

収録刊行物

  • 中毒研究

    中毒研究 35 (3), 186-191, 2022-09-10

    一般社団法人 日本中毒学会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ