胃癌術後肝転移との鑑別が困難だった腸間膜デスモイド腫瘍の1例

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タイトル別名
  • A Case of a Mesenteric Desmoid Tumor Mimicking Metachronous Hepatic Metastasis of Gastric Cancer
  • イガン ジュツゴ カン テンイ ト ノ カンベツ ガ コンナン ダッタ チョウ カンマク デスモイド シュヨウ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は52歳,女性.胃癌(L-post,0-IIc,sig,pT1aN0M0,Stage Ia)に対して腹腔鏡下幽門側胃切除術(D1+郭清)を施行した.術後11カ月の造影CTで肝S4に造影効果に乏しい境界明瞭な16mmの腫瘤性病変を認めた.MRIでは肝転移が疑われたが,PET-CTでは同部位に集積は認められなかった.術後肝転移を疑い,肝部分切除の方針となった.術中に腫瘤の横行結腸浸潤を認め,肝部分切除術,胆嚢摘出術に加えて横行結腸部分切除術を行った.病理組織学的検査で胃癌由来の印環細胞癌を認めず,免疫染色と遺伝子解析の結果,腸間膜由来のデスモイド腫瘍と診断された.術後7日で退院となり,術後24カ月の現在も再発なく生存中である.デスモイド腫瘍はMRIやPET-CTなどの画像による診断が難しい.また,遺伝子解析が他の悪性腫瘍との鑑別に有用である.</p>

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