1-4 臨床における重症薬疹とゲノムマーカー

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抄録

<p> 医薬品の副作用は、大きく2種類に分類できる。タイプAの副作用は、薬理作用と関連のある用量依存性の反応で、動物実験でも再現可能な事例が多く、予測やコントロールが容易である。糖尿病薬による低血糖など、医薬品の高濃度曝露に基づくものが多く、用量の調節で回避可能である。一方、タイプBの副作用は、本来の薬理作用と関連せず、動物実験で再現できないものが多く、アナフィラキシーなど特異体質性で発症予測が難しい副作用である。発症機構が不明なため、長らく一定の割合で発症しても致し方ないと考えられてきた。しかし、ゲノム薬理学の発展により、その一部ではあるが、発症と関連するゲノムマーカーが同定され、さらにその機序も明らかになるなど、発症回避が可能な事例も出てきた。本項では、ゲノムマーカーとの関連性について最も研究が進んでいる重症薬疹に関し、最近の知見を中心に述べる。なお、カルバマゼピン、アロプリノールを中心とする2012年頃までの知見は、既に本毒性質問箱で詳細にまとめており、ご参照頂きたい1)。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390013474495112192
  • DOI
    10.50971/tanigaku.2015.17_18
  • ISSN
    24365114
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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