接続助詞用法の「~べきを」の推移

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タイトル別名
  • Transitions in the Use of <i>Bekio</i> Conjunctions: From Ancient to Modern Japanese
  • ──古代語から現代語へ──

抄録

<p>本稿では,助動詞「べし」の連体形「べき」に接続助詞「を」が付接した「~べきを」について,中古から近世における使用実態を調査するとともに,形式名詞に付接する接続助詞的な「を」との関係を考察する。「~べきを」は中古には頻繁に用いられていたが,中世前期の過渡期を経て,中世後期には使用されにくくなった。ただし,逆接の意味を担う形式として語彙的に固定化することで,現在でも細々と使用されている。「~べきを」が使用されにくくなるのと並行して,「~ところを」が出現し,現代語では「~べきを」より「~ところを」の方が圧倒的に多く使用される。「べし」,接続助詞「を」,準体句の衰退という古代語から近代語への変化に伴い起こった「~べきを」の衰退が,「~ところを」を生み出す要因になったと考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390013485542940416
  • DOI
    10.20666/nihongonokenkyu.18.2_1
  • ISSN
    21895732
    13495119
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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