『静慮無色定大論』における密教

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  • Tantric Practice in 'Jam dbyangs bzhad pa’s <i>bSam gzugs chen mo</i>
  • Tantric Practice in 'Jam dbyangs bzhad pa's bSam gzugs chen mo

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抄録

<p> ツォンカパ(Tsong kha pa)著『道次第大論』(LRCM)『道次第小論』(LRCB)によれば道次第とは顕密共通の道である。ジャムヤンシェーパ著『静慮無色定大論』(SZCM)はLRCM, LRCBに従って止観による修習の次第を説いている。密教についてもSZCMは幾許か止観による次第を描出している。下位の三つのタントラにおいては (1) 本尊を所縁とする九種心住→ (2) 止の完成→ (3) 法身の獲得のために無我を所縁とする伺察修、および、色身の獲得のために本尊瑜伽の二つを修習する→ (4) 観の完成および止観双運の達成。この順序で修習される。無上瑜伽タントラにおいては、止の完成前に勝れた観が生じることがある。SZCMはツォンカパの密意を受けて、止観修習次第における無上瑜伽タントラの特殊性を説いている。密教におけるこの止観次第の枠組みは実際の密教経典を読む際にその理解を助けるだろう。</p>

収録刊行物

  • 智山学報

    智山学報 71 (0), 0079-0091, 2022

    智山勧学会

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