「そうしないほうがいいと思います」

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タイトル別名
  • " I would prefer not to. "
  • About the Conflict Between Akio Jissoji and Toshiro Ishido over " Mumyou "
  • 「無明」を巡る実相寺昭雄と石堂淑朗との葛藤について

抄録

本論文では、実相寺プロダクションとATGが共同制作した、石堂淑朗脚本、実相寺昭雄監督の3本の映画について論じ、作家と監督の葛藤について詳しく論じる。 その際、彼らがこだわった「無明」という言葉に着目し、3本の映画を分析した。 ハーマン・メルヴィルの短編小説「BARTLEBY, The Scrivener」をめぐる石堂と実相寺の対立も詳しく分析した。 石堂淑朗と実相寺昭雄の「知っていても止められない心」が、彼らにとっての「無明」の在り方であることを分析して明らかにした。 また「無明」という言葉が、バートルビーの「私はしたくない」という言葉につながる過程を詳しく分析した。 その過程で、石堂と実相寺の問題の本質を指摘した。その本質を巡って、石堂は「古来より続いてきた民俗の血統が未だ解明されていない」という問題を主張し、実相寺は「引揚者であることの汚名」を主張している、と指摘することができた。 彼らの最後の作品である「歌」では、両方の問題が融合し、昇華されたことを明らかにした。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390013552702146304
  • DOI
    10.19025/bnitk.56.0_45
  • ISSN
    2188921X
    02857901
    21889201
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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