Managing Portfolio Works: The Practices of Freelance Animators and the Role of a Production Company

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抄録

<p>日本のアニメ産業を支えるアニメーターの多くはフリーランサーとして働いていることが知られているが、彼らがどのようにして不安定性を含む労働に対処しているのかについては十分な議論がされてこなかった。本稿では、労働社会学で議論されてきた、複数の仕事の組み合わせ方を捉える「ポートフォリオワーク」の視点に基づき、アニメーターが日々の労働のなかで直面する無収入などのリスクに対して行っている個人的・集団的な対処について、スタジオでのエスノグラフィーに基づき明らかにした。</p><p>アニメーターはしばしば当人に責任のない形で無収入になるリスクに晒されるが、ベテランについてはあらかじめそのリスクが顕在化する時期を見越して短期的な仕事を確保しておくなどの対処を行っていた。若手アニメーターはそうした対処が難しい場合があり、その場合はスタジオの支援を受けながら仕事を獲得していた。このことはフリーランサーであるアニメーターも組織の管理を受けることを意味するが、その管理はアニメーターが持つ作品制作に関わる意向が尊重されることを前提として成り立っていた。これらの知見は、アニメーターがフリーランサーとして働くことの意義を示しており、今後いかなる働き方がアニメーターに適しているのかを考察する際の参照点として有効である。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390013629432841856
  • DOI
    10.34370/jjas.23.1_29
  • ISSN
    24351989
    1347300X
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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