心窩部痛を主訴とした腹腔内異物の1例

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  • A Case Report of Intraabdominal Foreign Body

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抄録

<p>症例は38歳女性。心窩部痛を主訴に救急受診した。初診時腹部X線・腹部超音波検査では明らかな異常を指摘できず,翌日精査目的にて再受診とし,上部消化管内視鏡検査を施行したが異常を指摘できなかった。腹部CT検査を施行したところ,肝外側区下部を貫通する針状の高吸収域を認めた。金属異物の肝刺入を疑い,腹腔鏡下異物除去術を施行した。金属異物は肝外側区域を貫通しており,肝下面より除去した。異物は25mmの軟らかい金属であった。術後経過順調であり,5日目に軽快退院となった。腹腔内異物の侵入経路としては,誤飲した既往は明らかでなかったが,おそらく誤飲した金属異物が消化管より穿通したものと考えられた。今回われわれは誤飲のエピソードがなく心窩部痛を主訴に来院し,診断に難渋した腹腔内異物の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。</p>

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