ドナー家族としての経験から家族ケアに期待すること

DOI
  • 米山 順子
    一般社団法人臓器移植ドナー家族の会くすのきの会

Abstract

<p>2017年にドナー家族として脳死下臓器提供を経験した。脳死下臓器提供時の家族ケアにおいて、その施設の臓器提供事例の頻度やスタッフの経験の有無などから、困難を感じている医療機関が多い現状にあるのではないだろうか。</p><p>ドナー家族として脳死下臓器提供を決断するに至る経緯を振り返り、また同じドナー家族の言葉から、患者家族が医療機関、医療従事者に期待することがあると考えた。第一に、脳死に至る疾患は多岐に及ぶが突発的であることが多いため患者家族は入院直後から困難な状況にあり、かつ信頼関係の構築においても、初期の対応が重要であるため入院直後から支援すること。第二に、臓器提供は終末期のケアの選択肢のひとつであることから臓器提供の有無に関わらず支援すること、そしてその決断がどのようなものであっても変わらない支援が継続されること。第三に、医師、看護師などの多職種が協働し、それぞれが患者家族を支援するという共通認識を持ち、患者家族から求められる役割を果たすこと。最後に、グリーフケアの一環として、遺族であるドナー家族へ支援の継続すること、四点が期待されていると考える。これらが医療機関における家族ケアの実践や質の向上への示唆となることも期待する。</p>

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