虎の門病院での腎移植成績の検討―mTOR阻害薬使用についてー
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説明
<p>エベロリムス(EVR)はカルシニューリン阻害薬(CNI)との併用により、CNIの減量、CMVの発症抑制、抗悪性腫瘍効果などが期待された。今回われわれは当施設での腎移植患者におけるEVR追加プロトコールを2020年4月より開始したので報告する。対象は2020年1月から2021年5月までの腎移植術41例。平均年齢51.3±10.7歳、男女比は25:16。生体腎移植35例(うち1例は2次移植)脳死移植5例心停止移植は1例であった。血型不適合4例、PEKTは14例であった。本院はEVR投与なし。分院はEVR投与するプロトコールとしている。移植直後よりEVR投与の20例と非投与21例を比較した。観察期間は619日。拒絶反応を認めた症例はなかった。EVR投与群とEVR非投与群の腎機能は3ヶ月血清Cr1.26±0.33/1.42±0.6 mg/dl,12ヶ月血清Cr1.32±0.41/1.33±0.54であり統計学有意差を認めなかった。EVR投与群で術後肝細胞癌1例、腎細胞癌1例を認めた。6例のCMVハイリスクのうち3例はEVRを投与されていたが発症はなかった。BKウイルス感染症を1例に認めた。当施設で初期EVR導入について腎機能推移は良好であった。CMV感染については非投与群と差がなかった。今後も症例を重ねEVRの効果を検討する。</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 57 (Supplement), s293_1-s293_1, 2022
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390013728848399232
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可