臓器・組織提供連携を円滑に進める認定組織移植コーディネーターによる院内ドナーコーディネーション体制

DOI
  • 三瓶 祐次
    東京大学医学部附属病院 組織バンク
  • 木下 修
    東京大学医学部附属病院 組織バンク 埼玉医科大学国際医療センター 心臓血管外科
  • 長谷川 潔
    東京大学医学部附属病院 肝胆膵・人工臓器移植外科
  • 小野 稔
    東京大学医学部附属病院 心臓外科
  • 田村 純人
    東京大学医学部附属病院 組織バンク 東京大学医学部附属病院 肝胆膵・人工臓器移植外科

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Description

<p>東京大学医学部附属病院では2020年度に脳死下臓器提供に関する院内マニュアルを見直し、2021年度には心停止下臓器提供に関する手順・マニュアルを新規に作成し、病院執行部の了承を経て運用を開始した。臓器提供ドナーからは臓器のみならず組織の提供も行われることから、当院では組織バンク所属の認定組織移植Coが院内ドナーCoとして、ポテンシャルドナーが生じた場合の窓口となり一連の対応を支援していく体制となった。2017年から2021年の5年間で国内379例の脳死ドナーのうち4例(1.1%)は当院からの提供であった。当院は心・肺・肝・腎の移植実施施設であり、心臓弁・血管移植を担う組織バンクも設置している。院内移植外科医らは各々の担当領域での臓器摘出の経験があり、かつ臓器・組織移植両分野の臨床に従事しているため、本体制の実現に積極的に関与した。また、移植医療に詳しい組織移植Coを院内ドナーCoとして窓口にすることが提案され体制が実現した。死期が迫っている患者が生じた場合に、どの診療科でも既に施行している検査・診察で判断できるようなフローシートを作成し、心停止後提供あるいは脳死下提供の可能性がある場合に院内ドナーCoへ一報してもらい、その後の手続きを支援することとした。この体制により、これまではオプション提示が検討されず死亡退院となっていた臓器のみならず組織のポテンシャルドナーの確実な確認を行うことを期待している。</p>

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