腎移植患者におけるミコフェノール酸血中濃度測定と内服用量の相関の検討

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説明

<p>目的:ミコフェノール酸(MPA)血中濃度の評価はAUC0-12が推奨されるが外来での運用は困難である。2020年3月MPA血中濃度測定が保険収載され今後測定機会が増えると考えられる。一般に外来採血ではトラフ濃度測定となるが、至適血中濃度の明確な指針はまだない。本研究では血中濃度と内服用量の相関を検討した。</p><p>方法:余丁町クリニックで2021年8月~12月に血中MPA濃度を計測した腎移植後患者388名を対象とした。ミコフェノール酸モフェチルを1日2回(朝、夜)に内服させ、朝分内服前のMPA濃度(12時間トラフ値)をEMIT法で計測した。性別、年齢、移植後日数、血清クレアチニン(S-Cr)値、BMI、内服用量、MPA濃度を診療録から抽出し、多変量解析を行った。</p><p>結果:男性265名、女性123名、年齢53.7歳±12.2、移植後日数3261日±2309、S-Cr1.44±0.63mg/dL、BMI 22.2±3.85、内服用量863±222mg、MPA濃度 2.86±1.70ng/mLであった。表記は平均±標準偏差。S-Cr(p=0.0026)、BMI(p<0.001)と12時間トラフ値の間に有意な相関を認めた。多変量解析の結果、S-Cr(p<0.001)、BMI(p<0.001)、MMF21時内服量(p=0.026)において12時間トラフ値と有意な関連を認めた。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s366_2-s366_2, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

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