腹腔鏡下外側区域切除を施行した生体肝移植ドナーの1例

DOI
  • 小峰 竜二
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 阪本 靖介
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 福田 晃也
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 内田 孟
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 清水 誠一
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 岡田 憲樹
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 中尾 俊雅
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 兒玉 匡
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 三島 江平
    上尾中央総合病院 外科
  • 若林 剛
    上尾中央総合病院 外科
  • 笠原 群生
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター

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抄録

<p>腹腔鏡下肝移植用部分肝採取術として腹腔鏡下外側区域切除術が2022年より保険収載となり、今後適応の増加が予想される。当院では今年度より、代謝性疾患レシピエントの生体肝移植において、画像上血管破格がないドナーに対して腹腔鏡下外側区域切除術の適応を開始した。症例は28歳男性で、アルギニノコハク酸尿症を原病として肝移植適応となったレシピエントの生体肝移植ドナーとなり、移植肝部分採取として腹腔鏡下肝外側区域切除術を施行した。手術時間は7時間44分、出血量は60ml、温阻血時間は18分であった。手術手技はArantius-first approachによる左肝静脈と左Glissonの先行確保を行い、肝離断はPringle法を併施せずCUSAを用いて行った。左肝管は鋭的に切離し、ドナー側の胆管断端は連続縫合で閉鎖した。術後経過でClavien-Dindo分類III度以上の合併症はなく、術後10日で退院となった。腹腔鏡手術は開腹と比較して術中の拡大視効果や気腹圧による出血量の低下や、手術創が小さいことによる整容面への貢献、長期での術後創部の違和感の軽減などが期待できる反面、手技習熟の難度が高く、また腹腔鏡手術チームの習熟度も肝要になる。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s381_2-s381_2, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

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