腎移植患者の筋肉量の変化と蛋白摂取量と筋肉量の関連の検討

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抄録

<p>【目的】慢性腎臓病患者、特に透析患者の筋肉量は二次性サルコペニアにより減少している。腎移植を行うことで、代謝生理学的異常から回復し、食欲が戻り、骨格筋量は改善される。サルコペニアの介入として運動療法・栄養療法があり、腎移植後の骨格筋量の変化には蛋白摂取量が影響を及ぼしている可能性がある。そこで、われわれは腎移植患者の骨格筋量の変化と蛋白摂取量の関連について検討を行った。【方法】2018年5月-2020年12月に生体腎移植術を施行した腎移植レシピエント64名と2020年5月-2020年12月にドナー腎採取術を施行した生体腎ドナー17名を対象に、コホート研究を行った。四肢骨格筋量指数(SMI)は、移植前、移植1ヶ月後・1年後に生体電気インピーダンス(BIA)法を用いて測定した。蛋白摂取量は、腎移植1年後に24時間蓄尿によりMaroniの式を用いて推算した。腎移植1年後のSMIの変化と蛋白摂取量の関連を評価するため、年齢・性別・累積ステロイド累積投与量、累積入院日数、糖尿病、腎移植前のSMIで調整した非線形多変量回帰分析を行った。【結果】腎移植レシピエントのSMIの中央値は移植前7.26 kg/m2、移植1ヵ月後7.01 kg/m2、移植1年後7.55 kg/m2であり、蛋白摂取量の中央値は0.91 g/kg IBW/dayであった。腎移植1年後のSMIの変化は蛋白摂取量と独立して関連を認めた(p = 0.015)。【考察】腎移植患者において蛋白摂取量不足は骨格筋量の回復に悪影響を及ぼす可能性がある。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s402_2-s402_2, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

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