エクソソーム・リキッドバイオプシーによる膵臓癌診断の現状と展望

  • 吉岡 祐亮
    東京医科大学医学総合研究所分子細胞治療研究部門
  • 落谷 孝広
    東京医科大学医学総合研究所分子細胞治療研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Current status and prospects for pancreatic cancer diagnosis by exosome-based liquid biopsy

抄録

<p>自覚症状の乏しい膵臓癌においては早期発見を行うためのバイオマーカーが必須であり,膵臓癌の発見が遅れることは,ただでさえ,予後が不良な膵臓癌の死亡率の増加に繋がっている.現在,リキッドバイオプシーによる検査法の開発が世界中で進められており,本邦でも保険適用に至った検査方法もある.リキッドバイオプシーの解析対象となるマテリアルはいくつかあるが,細胞が分泌するエクソソームが新たなリキッドバイオプシーのマテリアルとして注目を浴びている.本稿では,血液などの体液からエクソソームが含む分子を解析・検出し,診断するエクソソーム・リキッドバイオプシーについて,早期診断という観点を中心にいくつかの実例を紹介し,エクソソームが秘める膵臓癌診断へのポテンシャルを概説する.</p>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 38 (1), 19-27, 2023-02-28

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (28)*注記

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