ミクロ経済学の手法による教育経済学へのアプローチ

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タイトル別名
  • A Microeconomic Approach to Education Economics
  • ミクロ ケイザイガク ノ シュホウ ニ ヨル キョウイク ケイザイガク エ ノ アプローチ

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抄録

本研究は、望ましい学校制度のあり方に関連する経済学的問題を 2 つ取り上げ、ミクロ経済学のアプローチで考察する。1 つは、学校教育の現場で生じがちな、「皆で協力すれば望ましい結果が得られるにも拘わらず全員がサボる」ケースについての、ゲーム理論の視点からの解決策についてである。既存研究では達成されなかった協調が実現するポジティブな結果がある一方で、コミットメントを導入すると生じないはずの望ましくない結果に陥るケースもあるという、手放しで楽観するわけにはいかない結論となった。もう 1 つは、教室で教科書以外に必要となる教材の販売・購入を巡る問題で、教材を各家庭に行き渡らせたいが教材業者の利潤動機を規制できない学校の意思決定を分析する。業者の店頭販売と並行して校内販売を行うと、児童全員が教材を使える状態を実現できることが示されるが、その際に学校が仕入れた教材を誰に売るかという、割当ルールの設定が重要だとわかる。

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