ワインダーの最新技術と川之江のパイロット加工設備

書誌事項

タイトル別名
  • The Latest Technology of Double-Drum Winder and KAWANOE Pilot Converting Line

抄録

製紙機械には,紙を「抄く」,紙を「巻く」,紙を「折る」,紙を「切る」,紙を「包む」といった5つの機能があり,当社はその全ての機械を設計製造している。今回は「巻く」機械について,紹介する。<br>家庭紙用プライワインダーにおいては,複数枚の紙を圧着する目的でコンタクトエンボス装置搭載しているが,弊社では抄紙機の高速化に対応するためオリジナルのコンタクトエンボス装置を開発した。最新のプライワインダーにおいては,常用1,400 m/min(機械的最大1,500 m/min)の速度で運転されている。<br>洋紙製造ラインに設置されるスリッターワインダーでは,巻取完了から次巻取開始までのワインダー停止時間を短縮することを目的とし,自動卸替え装置の改良を進め,従来の自動ワインダーの約半分の取り卸し時間となる自動卸替え装置を開発した。また2次加工用スリッターワインダーは,多種多様な製品に対応するため,広範囲な張力制御や巻き固さ制御が行える構造となっている。<br>不織布用スリッターワインダーでは,伸びやすい不織布を低張力で巻き取ることが可能なよう,同期制御装置を備えたスリッターワインダーを開発した。品質管理が求められる分野には,異物検出装置を備えたスリッターワインダーも用意している。<br>弊社最新のTR-8型トイレットワインダーにおいては,ソフト巻きから長尺巻き製品まで幅広く対応した制御機構を搭載している。<br>加工機パイロット設備が,弊社工場内に完成し,トイレットペーパーやキッチンペーパーのカレンダ加工,エンボス加工やラミネート加工のテストが可能となった。8月には折り装置(インターフォルダ)も追加され,紙や不織布等幅広い素材の折りのテストも可能となる予定である。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 77 (2), 141-145, 2023

    紙パルプ技術協会

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