冷え・痛みの治療に伴う八味地黄丸の緩やかな降圧薬減量効果

  • 小野 孝彦
    島田市立総合医療センター漢方内科 国際医療福祉大学熱海病院腎臓内科
  • 鈴木 大輔
    島田市立総合医療センター漢方内科
  • 山崎 玄蔵
    島田市立総合医療センター漢方内科
  • 大瀬 綾子
    島田市立総合医療センター漢方内科
  • 横山 健
    国際医療福祉大学熱海病院腎臓内科

書誌事項

タイトル別名
  • Use of Hachimijiogan in Treatment for Cold/Pain Allows Gradual Dose Reduction of Antihypertensives
  • ヒエ ・ イタミ ノ チリョウ ニ トモナウ ハチミ ジオウガン ノ ユルヤカ ナ コウアツヤク ゲンリョウ コウカ

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抄録

<p>八味地黄丸の適応として,下肢痛,腰痛,浮腫,疲労倦怠感,冷感,高血圧の随伴症状などの記載がみられる。 冷えや痛みなどを訴える患者に八味地黄丸を投与し,その後の血圧経過を観察した。八味地黄丸として生薬末混合丸剤を45歳以上,平均年齢71歳の12例において腎虚の諸症状,血圧を観察した。冷えと痛みは,3ヵ月後の評価で有意に改善した。9ヵ月以上の八味地黄丸服用を希望した9症例のうち,8症例で降圧薬治療がされていた。うち4症例で9ヵ月までにアンジオテンシン受容体拮抗薬3例と Ca 拮抗薬1例で降圧薬の減量があった。八味地黄丸治療前の収縮期血圧は平均で127mmHg であり,降圧薬の減量にもかかわらず,9ヵ月後の収縮期血圧は平均で128mmHg と安定していた。降圧薬治療中の患者に対して八味地黄丸の長期服用により減量をもたらす可能性があり,血管内皮保護作用が推測され,高齢化社会における有用性が示唆される。</p>

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参考文献 (14)*注記

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