Linear stability of point vortex streets affected by horizontal divergence

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  • 水平発散を持つ系における点渦列の安定性
  • スイヘイ ハッサン オ モツ ケイ ニ オケル テン ウズレツ ノ アンテイセ

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水平発散をもつ点渦から成る系の運動を定式化し,そのハミルトン系としての性質を簡単に吟味した後,点渦列の線型安定性に水平発散が及ぼす影響を調べた.これはvon Kármánが非発散の点渦列に対して行った線形安定性解析を,水平発散を持つ点渦列に拡張したものである.具体的には,単一の渦列,平行な対称列,および平行な交互列の三つの場合につき,擾乱の成長率を求め,安定性を調べた.その結果によれば,単一列および平行な対称列は,常に不安定である.但し,擾乱の成長睾自体は,水平発散の強さを示す無次元数F*の増大につれて単調に減少し,水平発散の安定化効果を示す.一方,平行な交互列の安定性は,渦列の配値(縦横比)b*と水平発散を示す無次元数F*の二つが作る平面上で議論され,興味深い結果が得られた.すなわち,F*には臨界値F_c*=3.04が存在し,これを境にして安定性の様相が異なる.F*≤F_c*では,安定な渦列配置bs*が唯一つ存在し,それ以外の渦列配置はすべて不安定である.この状況は,非発散の場合によく知られている安定な渦列配置を表すカルマン比bk*=0.281の存在と同様である.但し,F*の増大につれて,安定配置bs*は微増し,臨界値Fc*で,臨界値bc*=0.322を取る.一方,F*>F_c*では,安定配置が一点でなく区間に広がる.測度が0でない安定領域の出現は,隣接する点渦の影響のみを考慮した「近場近似」を導入することによって理解することができる.また,F*の大きいところでは,近場近似を用いて求めた安定図式と厳密計算によって求めた安定図式が良く一致する.とくに,配置b*>√3/2の平行な交互渦列は,F*によらず常に不安定であることが分かる.

Journal

  • 應用力學研究所所報

    應用力學研究所所報 74 117-131, 1992-10

    Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University

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