法の記録と正義の記憶 : Louise ErdrichのThe Round House再読

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  • ホウ ノ キロク ト セイギ ノ キオク : Louise Erdrich ノ The Round House サイドク

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抄録

アメリカ先住民オジブウェ(Ojibwe)族の血を引く作家ルイーズ・アードリック(Louise Erdrich, 1954 - )は、正義三部作の二作目である The Round House(2012)において、法で守られることのないアメリカの先住民は、正義の実践とどのように向き合うのか、という問題に正面から取り組んでいる。そのテーマに至ったのは、「先住民」というアイデンティティーと居留地という「植民地」にまつわる法の限界という現実的な問題が複雑に絡みあっているからである。  本稿は、アメリカ文学における法と正義という大きなテーマを小説 The Round House に焦点を絞り、普遍(不偏)であるべき法が正義の実践の足枷となるという現実をどう乗り越えていくのか、現代北米先住民作家としてアードリックが行き着いた文学でできる解決法とはどのようなものなのかを検証し、それによって生じる「法<文学」の可能性に言及したい。

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